「日本人は水は無料だと思っている」
という話があるが、
あれは都市に住む日本人の話だろう。
農村に住む日本人は
山林の中の僅かな土地を開拓し、
谷の小さな流れをせき止めため池を造り、
その下で小さくても立派な田畑を作ってきた。
ため池や水路の維持や更新も
自分たちで行ってきた。
そうして先祖代々の農地を守ってきた。
農村の灌漑水路は
都会の公園の水飲み場と違う。
山の中の小さな田畑は
明治時代の地形図には
すでに記載されているので
江戸時代まで遡れるかしら?
年貢逃れの隠し田のような立地。
人家は遠く周りは山に囲まれた場所。
人の気配がなく静かな場所。
使われなくなったため池と田畑は
森に呑まれようとしている