都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

パキスタン軍司令部襲撃事件

あまり日本では大きな記事ならないかもしれないので、取り上げておく。
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2651462/4745175

パキスタン首都イスラマバードにほど近いラワルピンディにあるパキスタン軍の司令部が襲撃された。
日本で例えるなら、東京の市ヶ谷駐屯地が襲撃されたのと同じと思ってもらいたい。
そう考えれば、この事件がいかにすごい分るだろうか。そんなところで、事件を起こしたのは日本では
三島由紀夫くらいのものだ。
パキスタンでは北西辺境州で進む過激派掃討作戦に対する反発で、
このところ大きなテロが頻発している。
クマは2007年と2008年に北西辺境州の州都ペシャワールを所用で訪れている。
この時に感じたのは、高速道路の整備だ。イスラマバード空港からペシャワールまで車で行ったが、
たった一年ほど間でも所要時間は1時間か2時間くらい縮んでいた。
たしか、ペシャワールの街中からイスラマバードの空港まで3~4時間くらいで着くだろう。
我々は便利だと感じたが、過激派も便利になったと感じていると思う。
なにせ、一般道を通るより検問が減ったのだ。さぞかし首都に潜入しやすくなったに違いない。

日本ではアフガニスタンの治安悪化ばかり報道されているが、その隣国パキスタンもずいぶんと悪化しているのだ。アフガン支援ばかり話題になるが、実は両国の治安悪化の根底にあるものは、貧困であり、自由に往来できる国境線にある。北西辺境州の支援もセットに考えておかないと、過激派の育つ苗床はこれからも温存されるだろう。