都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

ビン・ラディン死亡の波紋


ビン・ラディン死亡に関して、様々な謎が出ているようで、
「生け捕りできたのに殺したのでは?」という疑惑も浮上しています。
でも、アメリカの場合、パキスタンの北西辺境州で無人機でバカスカと爆撃で暗殺して、
それを正当化してるので、今回もツラの皮を厚めにして突き進むでしょうよ。

さて、隣国パキスタンビンラディンが死んだことで、アフガニスタンでもいろんな反応が。
http://www.kenta-aoki.com/blog/?itemid=537
↑こちらのブログでカルザイ大統領のスピーチが紹介されています(すいません。勝手にリンク貼ってます)
カルザイ大統領は今回の事件はいい機会だからと、タリバンに和平を呼びかけています。
タリバン聞く耳があるのかは知りませんが。
それに、収まりのつかない人たちもいるようで、
http://www.tolonews.com/en/afghanistan/2599-govt-opposition-warn-of-taking-to-streets-
http://www.tolonews.com/en/afghanistan/2588-isi-behind-assassination-of-ahmad-shah-massoud-relatives
二つとも英文で申し訳ないですが、
クマ訳テケトー要約でいくと「パキスタンと繋がっているタリバンと和解なんてとんでもない!」
とくに上の記事は強烈で「パキスタン情報機関がビンラディンに指示して、マスードを暗殺させたんだ!」
と、故マスード司令官の御遺族の発言のようです。
マスード司令官暗殺に関しては、今年に入ってイラン情報機関陰謀説というのも、
アフガンでは流布してたはずですが、もう何がなにやら。
下の記事に登場するカルザイ大統領のライバルであるアブドラ元外相、それにサレハ前NDS長官にしても、
マスード司令官の部下ですので、みんな上官の無念を晴らしたいという事でしょうか?
あまり仲のよくない隣国パキスタンで潜伏していたことが発覚し、
対テロ戦争の主戦場にされているアフガニスタンでは波紋が広がっている様子。

そして、実際問題として、今とつぜん和解してしまうと、タリバン帰還兵の雇用は?
タリバンを現実的な敵と定めて膨れ上がった治安部隊と国軍はどうするの?
とくに国軍はタリバンという敵をなくしたら、どこの国を仮想敵を定めるのか、パキスタンかイランか。
さらに、日本やアメリカが治安部隊の人件費を支援してますが、
これも突然に「和解したからいらないよね」と支援を引き揚げると、
膨張した治安部隊の隊員のお給料をアフガン政府独力では支えきれないのでは。
お給料下げるといまでも汚職天国なのが、さらに悪化するかと。
もうこれは10年に渡る、いやソ連侵攻の時から溜まった膿です。
もつれた糸をほどくのは大変な作業です。