都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

京都な土日⑤最終話はあの世への入り口

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

土曜日の夜は、同じNGOに所属していたAさんのところへ泊っておりました。
ジャララバードにいた頃の話など、Aさんの自家製ビールを飲みながら、
いろいろ話しておりました。Aさんの自家製ビールは大変美味です。
他にも自家製のお味噌も大変美味です。
そうしてお世話になりましたが、ここへ行ったことは話しませんでした。
クマの変人ぶりがさらにここで露呈しますので・・・
「クマさん、今さら手遅れだろ」
「ハイ、そうです」

六波羅蜜寺の北東に、怪しげな場所があります。それは六道珍皇寺
京都の怪奇スポットの一つです。実はここは前から行きたい場所でした。
上の写真をご覧頂ければ尋常ではないことが分ると思いますが、
堂々と「あの世への入り口」を売り文句にしているお寺です。
観光客はもちろん、お寺の関係者までいない。
冬の寒空の中、人っ子一人いませんでした。気配すらなし。怖すぎる雰囲気です。
鳥辺野へ通じる六道の辻、ここから先はあの世の世界だった時代。
鳥辺野は平安京に住む人たちの葬送地でした。葬送と言えば聞こえはいいですが、
鳥葬のようなものです。捨てたと言ってもいいのかもしれません。
蓮台野や化野もそういう場所です。
鳥辺野の「鳥」はきっとカラスが漁りに来ている風景です。
あっ、想像しちゃダメですよ。
都市で発生する死体の処置は今では考えられないほど乱暴なもので、
東の武家の都市である鎌倉でも海岸で膨大な人骨が発掘されています。
イメージをぶち壊して申し訳ありませんが、葬送地だった湘南海岸なんて人骨だらけなのです。

さて、この六道珍皇寺がさらに怪奇なのは、あの世へ通じる井戸があることです。
(赤い祠の写真です。祠の右わきの井戸)
近くまで行けるのだと思いきや、格子窓からのぞき見て下さいとの看板があります。
平安の昔、貴族である小野篁が昼は平安京で、夜は閻魔大王と一緒に仕事をしていた時の
通り道に使った井戸だそうです。百人一首にも出てくる小野篁のこんな裏稼業をしていたのです。
小野篁って人はいつ寝ていたのでしょう?
ここは基本的に、小さな格子窓から覗き見る見学方式で、
閻魔大王像や小野篁像も覗き見ることができます。
まあなんと、ここの雰囲気にぴったりなのでしょう。雰囲気が倍増します。


この後、建仁寺にも回りながら、時間を潰していたのですが、
ウロウロしていると安井神社という場所に迷い込みました。
正しくは安井金毘羅宮。縁切り縁結びの巨石がある神社です。
変に薄暗い境内の中に、その巨石を覆い尽くすかのように形代が盛られています。
なんか恐ろしいまでの気配に写真なんて撮れませんでしたので、HPは下記になります。
http://www.yasui-konpiragu.or.jp/
「夫の浮気相手との縁を切って下さい」というような願いが込められた空間。
なぜか神社は女性参拝客で込み合っていたのが、気にかかります。
あ~怖いよ~、怖すぎるよ~
逃げるように撤収したクマでした。
あの世なんかより、女性の情念の方が怖いに決まってます。