都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

15年前の非日常⑥

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西宮震災記念碑公園。
阪神間を、いや関西を代表する高級住宅街の中にある。
市内では震災のはるか前より、浄水場や満池谷の墓地の傍にある桜の名所として知られている場所。
記念碑には市内で震災で亡くなった人の名前が刻まれている。
うちの身内の名前もあるし、なによりこの近所の小学校に通っていたことがあるので、
震災前より馴染みのある場所。
すでに人手に渡って、マンションが建ってる土地では合掌はできないからね。
ここ5~6年は、なにかしら悩んでるとここに足を運ぶようになった。
同種の記念碑は神戸の東遊園地にもあるが、普段は入れなかったと思う。
でも、ここは上の写真の通りにいつでも公開している。
数字で見るより当事者の名前で表現されている方が、いろんなモノが伝わってくる。

下の池の写真は、ここのすぐ横にあるニテコ池。
クマ的考察だと、谷を堰き止めて池にした古典的な手法による池じゃないかと思う。
西宮エビスこと西宮神社と絡んだ伝承もあり、そこそこ歴史はあるのではと勝手に推測。
すぐ横の式内社である名次神社、戦国期の越水城との関連も気になるのだ。
例によって話が妙な方向へ行っているので、普通な方へ行こう。
この池は、スタジオジブリのアニメでも有名な野坂昭如の「火垂るの墓」の舞台になった場所でもある。
二人の兄妹が暮した防空壕はこの辺りらしい。
今はそんな時代を感じさせるものはほとんどない。
池の西側には、故松下幸之助氏の邸宅があったりする。
今でも「松下」の表札があった。
またこの西宮市は、ライトノベルやアニメの世界で有名な谷川流の「涼宮ハルヒ憂鬱」の舞台になっている。
その筋に熱心な人たちは、聖地巡礼と称して舞台になった場所を探索しておられるそうだ。
でも、この街は谷崎潤一郎とか遠藤周作の作品でも舞台になってんだけどな~
「ところでクマさん。谷崎とか遠藤って読んでの?」
「スイマセン。読んだことないです。火垂るの墓も、まだテレビでさえ見てないんです」
だって、あらすじ見ただけであんな悲しい作品なんですよ。
読めないし、見れないっすよ。

(写真は数日前に撮影。上は震災記念碑公園。下はニテコ池。池のさらに向こうに見えるのは、六甲山地
に連なる山々。お椀を逆さにしたような山が市内では有名な甲山)