都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

ヒゲ面たちの中で見た韓流

ジャララバードの事務所には、テレビが一台あった。
泊り込みで勤務しているドライバーやチョキダールが買ったらしく、彼らの詰所に置いてあった。
番組内容は全然わからないのだが、ひとつ言えることがある。
なぜCMに、こんなヒゲのオヤジどもを多用するのだ?
うん、そういう文化なんだから仕方ないんだけどね。
ちょっとでもおかしな期待したクマが悪い。
放送内容はアフガン独自と思われる番組があり、you tubeでもそれらしいのがある。
だが、やはりびっくりしたのは外国の映画・ドラマだろうか。
ある日、やたらに詰所が静かだと思い覗いてみると、
みな黙り込んでテレビに注目していた。
プレデターシュワちゃんが死闘を演じていた。
「古いの見てるね」
「・・・」
映画に熱中し、誰一人口を開かなかった。
不気味なほどの熱中はしばらく続いた。
アフガン人男性の強い男への憧れみたいなものは強いらしい。
なので、プレデターを見る彼らは、そんなに不思議な光景とも思えなかったのだが・・・
ある日、バザールの両替業者の店の中で衝撃的な光景を目にする。
「クマさん、あれは中国のドラマか?」
アフガン人スタッフに聞かれて、テレビを見る。
中国製品は多いけど、ドラマにまで進出しているのか~と思い、テレビに目を向ける。
テレビ画面には、見覚えのある女優がいた。
こっこれは、中国じゃない。
うちのオヤジが好きだったイ・ヨンエがいる。
これはNHKでもやってた韓国の「宮廷女官チャングム」ではないか。
シャルワルカミーズのヒゲ面のアフガン人に囲まれて、韓流を見る。
それはそれで、なにか目まいを覚えるほどの不思議な光景だった