都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

ニングラハルだった日

4年目の日に

事件から4年が過ぎた。 4年前にFacebookにもこの写真と共に 「ドクター・サーブはいつも彼らと共にあった」と書きました。 そうドクター・サーブ中村は 政治家や富裕な有力者、軍閥たちではなく 写真に写る農村の人々と共にありました。 「一隅を照らす」 …

15年前の8月

ファイルを整理したら 16年前の写真が出てきた。 撮影したのは春だった。 1期工事終了の内祝いの場だ。 翌年夏の事件をまだ誰も知らない。 先月で事件から15年経つ。 15年も過ぎた。 生き残った者として 15年の過ごし方がこれで良かったのか 全く自…

春のバレーボール

暖かくなると昼休みにバレーボールをやってたが、 タリバン統治下でもまだやってるだろうか 4月になれば夏同様の暑さが来るので 2月から3月の短い春だけの光景だった

廻り回ってデュー

マウンテン・デューなる名前の飲み物を御存知であろうか。 http://www.pepsi.co.jp/products/mountain_dew.html 日本ではサントリーフーズが販売している炭酸飲料で、 レモンライムな風味であるが、この人工的な味付けがクセになるジュースである。 日本では…

天秤での量り方

アフガニスタンでエアコンが入ってるところなど限られますので、 冬季の暖房は薪のストーブとか、一酸化中毒になりそうな灯油のストーブ。 また、寒いカブールではセントラルヒーティングを持ってる建物もあるそうです。 ジャララバード周辺の山はどれも岩山…

羊が一匹、羊が二匹、羊が・・・

かれこれ3年前の話になります。 いまだに憶えてるんだから、食い物の恨みは恐ろしい。 じゃなくて、クマは小さい人間なのです。 イスラムの国では、イードの祭日に羊を生きたまま買ってきて、お祈りしてから解体して、 料理して、みんなで楽しくお食事をす…

ゲリラ以外も愛用する日本車 修理編

本日でこのシリーズも一区切りです。 『世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由』 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/11/post-1817.php 「その性能を実証したのが、03年にBBCテレビの番組『トップギア』で放映された耐久実験だ。この番組で…

ゲリラ以外も愛用する日本車 ハイエース・トラック編

昨日に引き続き車の話です。 今日はハイラックス以外の日本車を御紹介。 事務所の中でも、もっとも年季の入った車だったトヨタの白いハイエース。 故障なんて日常茶飯事。 スライドドアなんてまともに開かないことが普通。 この車で二度も、路上で立ち往生し…

ゲリラ以外も愛用する日本車 ハイラックス編

先日、またもNEWSWEEKの記事にカチンと来たので御紹介。 『世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由』 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/11/post-1817.php 「(今でも)パキスタンでハイラックスを見れば、アルカイダが乗っていると疑う1つの…

ケータイ不携帯

悪いクセでケータイ不携帯で出かけることが多々あります。 わりと治ったほうだと思うのですが、今でも近所周りで買い物するときは家に放置したままです。 その日も鳴ってたみたいです。 台風により東北の方で報告会が中止になった日に。 中止の報をブログに…

アフガンハウンドってどこにいるの?

不覚にもカタイ話が続いてしまいました。 今日はおバカ系で。 アフガニスタンといえば、アフガンハウンド。 4年前の僕の頭です。 短絡的です。 現実的には、イスラム教国のアフガニスタンでは犬は敬遠される傾向。 野犬は狂犬病に感染していないとはいえな…

第六話 もうそろそろ終わりにしてみたい

「三行では済まない話」というシリーズで始まりましたが、 漠然とした構想だけ頭に描いて始まり、筆の向くままいや、キーボードを叩く指のまま、 テキトーな進行で書いてると、なんだか三行と関係ない方向に進みそうなので、 シリーズ名をタイトルからカット…

第五話 想像外な認識違い

昨日は、不正の話を書きました。 弁護をするワケではありませんが、他所者でしかない日本人と違い、 家族・親戚・一族郎党・友人・知人もいるアフガン人職員にとって、悪だくみの誘いを容易に断れぬもの。 日本的感覚で業務上横領じゃ~。背任じゃ~などと、…

第四話 大いなるギャップ

よく誤解されますが、現地で雇用したのは作業員だけじゃありません。 100人近い職員がいました。 人員の配置は現場と事務所でおおよそ半分半分というところ。 エンジニアサーブと呼ばれる現場監督、事務、会計から、 その他に運転手、メカニック、メイソ…

第三話 良心はどう受け取られるか

昨日は、彼の地で軟弱な日本人が良心を揺さぶられる光景を書いてみた。 一昨日は、かつて住んだ町の事例をあげ、被災地に押し寄せる良心について疑念を示してみた。 今日は、彼の地で日本の「良心」はどう受け取られるか書いてみる。 写真はジャララバードの…

ラマダン狂想曲

いくつかの情報では、今年のラマダンは8月10日頃かららしいとは知っていたが、 どうやら明日の11日からのスタートとなっているようだ。 なんで「頃」で、なんで事前予想から1日ずれるのか。 みんな、おおよそこの日からということは知っているのに。 詳…

お弁当

上の写真は、現場の作業員が家から持参したお弁当。 講演会で使える写真を探しているときに、改めてこの写真について考えさせられた。 通常、特に事務所勤務だった僕が彼らのご自宅にお邪魔するなんてことはなかったし、 たとえあったとしても、奥さんと顔…

覚悟がいる散髪

年長者が男のロン毛を嫌うのは、どこの国でも同じなのかもしれない。 アフガンニスタンでも男の髪は短い方がイイらしい。 丸坊主も珍しいことじゃない。 とくに暑いこの季節は。 髪の長いのは僕も嫌いで、髪が耳に当たるのが嫌い。 だけど、坊主頭は絶対に断…

ウイルスを頂く

アフガニスタンなど地の果てだと思われてしまうのだが、 そんな「地の果て」だとしても、家電製品だって、パソコンだって、売っているところには売っている。 もちろん一般市民に買える値段ではない。 帰国したいまでも愛用しているデジタルカメラKodak Easy…

ジャララバード的ファーブル昆虫記③

ジャララバードの事務所の片隅で、巣作りに勤しむハチ。 たぶんジガバチの一種ではないかと。 巣穴の中に、毒で麻痺させた獲物の昆虫を運びこみ、そいつに卵を産みつける。 孵化した幼虫は、麻痺したままの昆虫を食べる。 う~ん、怖い。

遥かなるエアコン

言わずもがなだが、アフガニスタンの夏は暑い。 冬は避寒地として知られるジャララバードの夏は、残酷なまでに暑い。 日本と違い湿気がないのは過ごしやすくもあるが、空気中に遮るものがないので、気分は直火焼き。 そんなアフガニスタンで冷房といえば、団…

すれ違いのネズミ

ジャララバードの宿舎。 台所。 カタカタと蠢く影の主はネズミ。 人のいる所にネズミあり。 宿舎をうろつく猫はなにをしていたのか? ネズミは台所といわず、食事が載ったテーブルにまで侵攻した。 事務所では、机の引き出しに入れたクッキーが食われ、フン…

ジャララバード的ファーブル昆虫記②

ときどき、不思議なモノを見ても、現地人スタッフに聞けば、解決したのですが、 これは、解決しなかった。 実家でホコリを被っていた昆虫図鑑をみても、いまいちわからない。 頭は蝶にも似てるけど、胴体はセミ? それともやっぱこれは蛾の類か? (07年6…

恋するアフガン人

彼は事務所のドライバーの一人だった。 背丈は、かなり低い。 歳もまだ20代だったと思うし、顔もけっこう童顔だった。 若いし、入ってまだ日も浅いせいか、なにかと仕事を押し付けられていた感もあった。 だが、気は強い。けっこう、短気だ。 そして、僕と…

保護されたクマ

先日、久保田弘信という写真家の方が、ジャララバードを取材中ということを書きましたが、 この方のブログと公式サイトを読んでいくと、取材先のとある場所と、クマが以前ここで書いた 「垣間見た貧の風景③難民キャンプにて」は、同じ地域のことでした。 よ…

春の足音②

噂に曰く 「春になると、刺されてくる患者が増える」 「現場や農村だけじゃなく、街でも現れる」 「部屋に現れて、びっくりした」 「ベッドの布団の下にいて、びっくりした」 噂に聞く通り、奴はやって来た。 春のある日の夜。 宿舎のトイレへ入ると、不意に…

黄色い箱の前日 水で走る車

インド洋での自衛隊の給油問題もそうだったが、 日本のニュースは意外にも早くアフガニスタンに伝わってくる。 大きな災害、事件があれば、ラジオや新聞で国際ニュースとして流している。 それは黄色い箱を持って、日本へ向かう前日のことである。 事務所の…

ヒゲ面たちの中で見た韓流

ジャララバードの事務所には、テレビが一台あった。 泊り込みで勤務しているドライバーやチョキダールが買ったらしく、彼らの詰所に置いてあった。 番組内容は全然わからないのだが、ひとつ言えることがある。 なぜCMに、こんなヒゲのオヤジどもを多用する…

春の足音

ジャララバードは避暑地ならぬ、避寒地として知られる。 高地にあるカブールより、冬はしのぎやすい。 ただし、夏は耐え難い。 2月も半ばを過ぎれば、昼間は暖かくなる。 ジャララバード事務所の屋上。 ポカポカの陽気は、読書に最適であり、昼寝を誘う。 …

軍用ヘリが征く下で

超低空で飛ぶ軍用ヘリの騒音というのは、ひどいモノだった。 1機、2機が単体で飛んでる時は、まだいい。 前衛、本隊、後衛などと、攻撃ヘリと輸送ヘリが団体で頭上を通過すると喧しくてたまらない。 「誰か、ミサイル持って来てくれ~」 なんて冗談を言っ…