アフガニスタンでエアコンが入ってるところなど限られますので、
冬季の暖房は薪のストーブとか、一酸化中毒になりそうな灯油のストーブ。
また、寒いカブールではセントラルヒーティングを持ってる建物もあるそうです。
ジャララバード周辺の山はどれも岩山なので、どこから薪を仕入れているのか謎ですが、
薪を売ってる店が多くあります。ガスがないので薪は日常生活で使う燃料。
なんといっても、薪がなければナンが焼けません。
ガスコンロとフライパンでは美味しいナンは作れません。
『日本・アフガニスタン関係全史』には、1934年のカブールに日本公使館が開設された頃に、
公使館でストーブ用のこの薪を買った話が載ってます。(以下太字部分抜粋)
そこいらへんに転がっている石を持ってきて「これが1セールだ」といいます。相手も納得すると、もうひとつ同じ大きさの石を持ってきて天秤棒ではかります。同じだと双方納得すると、2セールの単位ができます。この2セールに相当する石を次に探します。それも一緒にすると4セールの単位ができます。こうやっていって80セールの石ができます。これを一方に載せ、片方に薪を載せて量るのであります。
(80セール=1ハルワール=ロバ一頭分の荷物)
うーむ、さすが76年前の話・・・・・
あれ?写真のハカリに載ってるのは石は一体?
この写真は76年前?
いえ、つい2年前のことです。
写真の石も76年前のように重さを決めたんだろうな。
実はいつも半信半疑でしたけど。
ハカリで顔が隠れてるけど、腰も曲がった爺さんが店主だったので、
商売っ気丸出しの人たちとは違うだろうと思い信用したが、
いきなり石二つとオモリ乗っけてOKだと言われてもな~(ここでは1マンという単位。1マン=だいたい7kg)
デジタルなモノに占拠された僕らとは対極を行く国なのです。
これで物事が回っていく社会が羨ましい。
(写真は08年2月の撮影。店主は写真中央。左の太っちょは宿舎で日本人の世話を焼く職員)