都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

金魚のフンなクマ⑩驚愕の花の都

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上の写真。
一見、普通の部屋のドアに見えよう。
では、ドアの右にあるスイッチらしきものはなんであるか?
呼び鈴?
違うのだ。
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ドアを開くとやたらに狭い部屋。
しかし、たいへん危ないことに、先のスイッチを押さねば、扉の先の部屋は来ない。
これは、エレベーターなのだ。
手動のドアで開くエレベーター。
さすが、花の都。
この街で、エレベーターがあるだけでも御の字である。
ちなみに、過去に何度かこの街で停電を経験しているクマとしては、
乗っている間に停電しないかと、内心はヒヤヒヤでした。
ところで、ドアを開けている彼は、エレベーター係ではない。
隣国のアフガニスタンの青年・・・いやまだ少年か?
2年前、彼の地で毎日顔を合わせたヒゲ面のおっちゃんたちに比べれば、
第一印象としては頼りない感じがした。
あのおっちゃんたちとは違い、育ちの良さが顔に表れている。
この顔に対抗できるのは、ジャララバードのあの事務所では2人くらいしかいない。
事実、育ちはかなりよい。英語もクマ以上だ。
でも、第一印象は間違いだった。
街中で警察官に呼び止められた時も、正面に立ってクマたちの身分を説得した。
さすがパシュトゥンの男である。
ドライバーが「メシ食ってるから今は車出せねーよ」と、
電話の向こうで怒鳴った後、「ドライバーはミーティング中」と、僕らに言い繕う機転のよさもある。
これで、クマがパシュトゥ語を解さなければ完璧だった。
しかし、なにより驚愕だったのは、彼が日本人並みに5分前行動ができる人だったこと。
集合時間より早めにやって来た彼を見て、信じられないモノを見た気分だった。
「時間を守ることは大切なことだ」
彼は胸を張って言った。
クマとしては、時間にルーズなこの地域が、とっても好ましいのだが。