都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

神様の使われ方

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「ホダイ ホシャリーギ」といえば、パシュトゥンの人たちで物乞いをしている方々が使う台詞と言われます。
意味は「神は喜ばれますよ」ということで、その台詞とともに手をぬっとさしだしてくるらしい。
クマは一度もそんなことは言われませんでしたけど。
ほぼ無言で手を出してきたような。
そして、お金を出さないと物凄い勢いで抗議を受けましたけど。
なんだかカツアゲされている気分。
ブルカかぶっている女性だと、相手の顔がよくわからないのでなお一層に怖い。
とにかく、かの地で日ごろから熱心に信仰されている神様ですが、使い方はさまざまです。
でも、神様をダシにして戦争をやらかす連中よりははるかに良い使い方です。
ところで「スズキ」と言えば、パシュトゥンの人たちの間では上の写真のような軽自動車に対する一般名詞。
黄色の車体のそれはタクシーでございます。
そんな車に乗ってペシャワール空港へ向かっていたのは、この夏のこと。
頭をよぎるのは入国時に起きた小バトル。
あの係官連中、また待ち伏せしているんじゃないだろうな。
と、思いながら空港ヘ行くと、果たして空港駐車場の手前にある警備ポイントで制止を受けます。
くそ、まさか空港に入る前からチェックを受けるとは。
なんという警備陣の連携プレーか。
路肩に停車させられたスズキ。
やってきた警官が、助手席に座る友人とドライバーとの間で激しい会話が交わされます。
が、どうも様子がおかしい。
警官はさほど厳しい顔をしていない。
しかも会話の端々に「ホダイ」の一言が混じる。
やがて根負けした友人が100ルピー札を警官に握らせました。
「なんじゃ賄賂目当てで止めんたんかい」
賄賂を貰うのにまで神様を使っているとは。
やっぱり、かの地の人の根性は素晴らしい。
こういう強かさ大好き。
ちなみに出国時は何のトラブルもなく済みました。
誰のせいで揉めたんだか。
すいません。私の前歴のせいです。
 
(写真はペシャワールの街を走るスズキ。この夏に撮影)