都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

鬼が来た

追儺ってなに?
という話です。
追儺と書いてついなしきと読みます。
その起源は古代中国にまで遡れるそうです。
場所によっては「鬼やらい」とか「鬼おい」とかとも呼びます。
日本では宮中の年中行事として大晦日に行われ、
方相氏役の役人が矛を持って楯をたたき、修正会を邪魔する悪鬼を追い払う。
これが宮中からご家庭に広がったのが、節分の豆まきです。
修正会はは毎年1月にお寺で行われ、国家安泰や五穀豊穣をお祈りするものです。
期間はお寺によってまちまちですが、そんなのやってたんですね。→失礼
太山寺では毎年1月1日から7日まで行われ、その最後の7日の午後二時に鬼が来ます。
御住職の解説ではお寺の裏山からやって来るそうです。
解説?
はい、国宝のご本堂に見学者多数です。
始まるにあたりわざわざ解説がありました。
裏山からやってくる鬼は太郎鬼、次郎鬼、婆々鬼、走り鬼の4人と子鬼が6人。
鬼は修正会を邪魔する悪霊を追い払いにやって来ます。
太山寺の鬼は悪い鬼じゃなくて、善い鬼なんだとか。
鬼の解釈は地域ごと、お寺ごとにまた違うようです。
さあ鬼が来ましたぞ。
イメージ 1
手に持ってるのは竹刀じゃなく松明ですよ。
国宝の本堂を火事にするわけにもいかず、松明はこの様にえらい小さくなったそうです。
振り回すと消えることもあるほど、火力は小さめです。
火の用心に気を遣ってくれるほど、太山寺に来る鬼は善い鬼なのです。
安土桃山時代から来てくれるようになったそうですが、実際の所は記録もなくよく分かってないそうです。
イメージ 2
見てる最中にも写真を撮ってたのですが、
カメラを頻繁に使い始めたのがアフガニスタンだったということを考えさせられます。
晴れ渡った大地の撮影に慣れすぎ、薄暗いお寺の本堂で激しい動作をする相手を撮るのは慣れてないので、
後でPCで見てみると、いったいなんだこれは的な写真ばっかり。
カメラもジャララバードで買った奴なので、性能面での高望みはできません。
そして高そうなカメラを持った方々は、ばっちりいい場所を一時間以上前から押さえてるのです。
いつも通り無計画てきとー路線で行ってるクマは、板の間の寒さ対策さえしてない有様。
日本の伝統的な建築物を甘く見ておりました。
2時間も続くので足の感覚を失いました。
 
カメラで動画も撮ってはいますが、暗くてよく分かりません。
残念。
追儺式が終わると、餅まきがありました。
無料で見学できるうえに、餅までくれるとはやっぱり善い鬼なのです。
鬼に感謝しましょう。