都鄙往還雑考

宝塚の山の中と街をいったりきたり 2022年12月よりブログタイトルを変更しています。それ以前の記事は順次整理していきます。

2009-01-01から1年間の記事一覧

アフガン支援の大枠が決まったようで

右往左往した末に大枠はまとまったようです。 具体的なことは、なにもまとまってないようですが、 自衛隊派遣が回避されたことで、とりあえず安心しております。 ただ、あまりに膨大な支援額なのですので、今から警察官の職員数を水増ししておこうなんて 考…

子どもの頃の謎は謎のまま

今年もそろそろ寒くなってまいりました。 という訳で、押し入れからパトゥを取り出し、包まっております。 「あんたは遊牧民か」 と家族から言われた方も、この国のどこかに何人かはいるはずだと思っております。 クマの場合、部屋着の上はシャツですが、下…

携帯電話を巡って

現地に旅立つ前、三年前のこの時期、親によくこう言われました。 「アフガニスタンなんか、ロクに電話もないやろ。どうやって日本と連絡するんや?」 問われた僕は、あまり深く考えていませんでした。 というより、そのあたりは全く期待していませんでした。…

鉄人を見てきました

日本政府より独立を宣言した関西自由共和国政府は、 神戸市長田区で無線誘導式ロボット鉄人28号の 実戦配備が完了したことを発表しました。 この鉄人28号は、この夏お台場に配備されたガンダムに 脅威を受けた共和国政府国防部によって開発され・・・嘘…

訪問者が500人超え

ブログを開設して、一か月もしないうちに訪問者数500人を超えてしまいました。 真面目に拙文を読んでくださった方 斜め読みして立ち去った方 読まずに去ってしまわれた方 いろんな訪問の仕方がありますが、まずは御礼申し上げます。 もともとブログなぞ書…

向こうの宿舎

先日、知り合いと話していた時のこと。 「アフガンなんか、ちゃんと家あんの?」 「そりゃ、あるよ」 「へ?クマさんはキャンプなんかはしてへんの?」 「ちゃんとした建物に住んでますよ」 時々、日本でこんな会話になる。 借家だったから、あの強欲な家主…

戦前にアフガンに住み込んだ日本人

前回、前々回とアフガニスタンの独立記念日に纏わる迷信を探ってみたが、 その過程で、どうしても気になる人物がいたのでさらに探ってみた。 その名を高垣信造という。(信蔵とするものもあり) 1933年の野村俊吉著「秘められし国アフガニスタン」で登場す…

謎の独立記念日 その2

前回に引き続き、「アフガンと日本の独立記念日は同じ8月19日である」という アフガニスタンで、広く知られている迷信を真面目に追究したいと思います。 アフガニスタンでは日本が昔、アメリカ、イギリス、ロシアと戦争をしたことは広く知られています。 …

謎の独立記念日 その1

8月19日にアフガニスタンを歩く日本人は、必ずこう言われる。 「今日は我が国のインディペンデスデイだ。日本も今日なんだろう」 アフガニスタンの人たちは、みなそう固く信じている。 「建国記念日なら2月だよな?」 「そもそも、日本はどこから独立す…

襲撃事件に思う

決選投票に持ち込んだ結果、このテロです。 テロを誘発してまで、しなきゃいけない選挙とは何なのでしょう? 上位のお二人で連立政権を組んじゃダメなんですか? ジャララバードでお隣だったレッドクロスの拠点は、銃を持った人こそ見ませんでしたが、 忍び…

ニワトリな日

アフガニスタンの女性はとても美人な筈である。 筈であるとしたのは、ブルカをかぶっているので実際のところは謎だからだ。 一定の年齢になると、女性はブルカをかぶる。 顔を出しているのは、小学生くらいまでの女の子と、しわくちゃな老婆だけだ。 外で遊…

RPGの日

車の助手席には、カッサダールと呼ばれる警備兵がいた。 現地服風の制服に軍用ベレーを頭にのせ、手にはカラシニコフを持っている。 カイバル峠を越えてアフガニスタンに向かう外国人は、 彼のような警備兵を同行させることが義務付けられている。 2m近い…

住居に使わなかった石の技術

本日、朝刊に掲載された桜井茶臼山古墳の竪穴式石槨。 竪穴式にしろ、横穴式にしろ古墳時代を通じて、 日本各地に石を使った構造物の建築技術があった。 しかし、日本人はこの技術を、住居に転用しようとは思わなかった。 こういう違いって、単に日本が森林…

決選投票のボイコット示唆

やっぱりこういう人が出てきました。 タリバンじゃなくても、決選投票のボイコットを示唆する人が。 ラマザン・バシャルドスト元計画相。 8月の選挙で三位だった人で、カルザイ氏とアブドラ氏に隠れて目立たない人です。 弱者救済と非暴力を主張し、国会前…

偽造の話はどうなった?

金印「漢委奴国王」発見者の特定に“新説” http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091021/acd0910211346003-n1.htm 上の記事では一切触れられていないが、金印といえば2年ほど前に 新しい偽造説が提起されたはずである。 幻冬舎より出版されている三浦…

もう一度、選挙がしたいようです

この期に及んで、決選投票をするつもりのようです。 いまさら投票所に、もう一度足を運ぶ人がいるのでしょうか。 選挙前にテロをやらかした過激派は、再びやって来た活躍の時のために、 テロのプランを準備しているのでしょうか。 案外、彼らも呆れてモノも…

大陸に着いた日 後編

イスラマバードの空港は、失礼ながら一国の首都の玄関口の割には貧相な建物だった。 日本の地方空港のような感がある。 深夜というのに、外はえらい人だかりだった。腰ほどの高さのある柵の向こうで、 空港から荷物を持って出てきた人たちに、男たちがさかん…

大陸に着いた日 前編

冬とは思えぬ、生ぬるく湿った空気が纏わりついた。 それが初めて感じた大陸の大気だった。 その時、僕のパスポートはまだまだ新しかった。 ビザが一枚、出国スタンプは一つだけ。 予定の2時間遅れで、僕はイスラマバード空港に降り立った。 連絡通り迎えの…

おめでたい日

アフガン人スタッフの身内の結婚式に、何回か呼ばれたことがあります。 ムスリムの国なので、新婦と会うことがないのは予想していました。 しかし結局のところ、肝心の新郎の顔さえもわからないまま帰ってくることが多かった。 しかも、女性陣は別会場らしい…

流れモノを見た日

着任して間もないころ、宿舎でチョコレートケーキが流行しました。 日本のコンビニで売ってそうな、掌に収まるサイズのパウンドケーキのような奴です。 それからはアフガンの匂いはしない。西洋の香り。 なんでも、米軍基地から街のバザールに流れてきたとか…

15年目が近付いています

震災から15年 「神戸新聞の100日」ドラマ化 http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/0002446357.shtml そういう季節が、近づいて来ました。 家が壊れたわけじゃないし、避難所生活もしていませんが、 震災前に阪神間に住んでいたし、身内に亡くなった人も…

金は天下の回りモノ

「タリバンの給料ってどれくらいなの?」 ある日、同僚の二人に聞いてみた。 金額は忘れたけど、二人の話した士官クラスの月給は 二人のそれより高かった。 「うちより高いね」 「という訳だから、給料を上げようよ」 やっぱり、そういう話か。この野郎。 「…

遠く福島で

昨日、福島の方に当ブログの存在がばれてしまいました。 夜逃げしたい気分ですが、せっかくの機会ですので、 福島のネタはないかと思っていたら出てきました。 http://www.kahoku.co.jp/news/2009/10/20091015t65003.htm 福島県教委は14日、湯川村の桜町遺…

古代道路

先日、NHKで放送されていた番組 古代日本のハイウエー~1300年前の“列島改造”~ http://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20091012-12-05090 三連休最終日12日の夜9時から、一時間半に渡って放送されました。 世の中の歴史好き…

気づいてしまった日

ドライバーが突然、車を停めた。 国境線を離れた山のふもとの下り道、前には何もない荒野が広がっている。 さては故障したか? 「礼拝の時間なんだ」 ああ、そういことか。 他に数台の車が停まり、みんな礼拝を始めている。 道路のわきの斜面には、水が流れ…

赤井英知はボクシング選手だった

赤井英知といえば元プロボクサーで、今では舞台やテレビで活躍するタレント。 20代後半のクマの世代は、ボクシング選手だった頃の赤井英知は知りません。 彼がボクシング選手だったということは、知識でしか知りません。 ましてや関西在住のクマは、大阪の…

感染列車

神戸へ出かけた帰り、電車の中で隣に座るおば様からせき込む声が・・・ マスクを着用したその顔は、濃いめお化粧で隠れてるとはいえ、 お酒を召したかのように赤かった。 貴女はインフルエンザですか? 三つも四つも買い物袋を持ってるけど、無理してお出か…

異形の王権

『異形の王権』 平凡社ライブラリーから出版されている網野善彦氏の著書。 先日購入し、今読んでます。 古代から中世、近世の非人や異形とされる人たちのメインです。 聖から賤へと変化する過程など、あまり教科書や大河ドラマが取り上げない 庶民、民衆の歴…

国境線を超えた日

子どものころから消極的な性格だった。 中学や高校のころ、英語の試験は手ひどいものだった。 ギリギリ赤点、いえいえ、12点とかの世界です。 それから、10年ほど過ぎた冬のある日、僕はカイバル峠を越えた。 パキスタンとアフガニスタンの国境線。 そこ…

自転車で130ヶ国

世の中にはすごい人もいるものだ。 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002438400.shtml 1998年7月から自転車で世界130カ国を巡ってきた川西市美園町のサイクリスト、中西大輔さん(39)が11年余に及ぶ旅を終え11日、ゴール地点の大阪市に…